合気道

合気道は開祖・植芝盛平翁が日本の伝統武術の奥義を究め、さらに厳しい精神的修養を経て創始した現代武道です。「真の武はいたずらに力に頼って他人と強弱を争うものではなく、自己の人格の完成を願っての求道である」と説き、その体現の道として完成させたものです。

現在では国内外に広く普及・発展し、全世界で約140の国と地域で多くの人々に愛好されております。年齢や性別、国境・文化・言語の壁を越え、稽古を通じて自己の成長と他者との調和を図ります。

合気道は心身を鍛錬し互いに高めあうことを目的に稽古を行います。合気道の技は人間の体の特徴を合理的にとらえたもので、相手の力を導くことによって相手のバランスを崩し、そこに自分の持つ力を活かして技をかけます。力任せに技をかけるのではなく、力と力の衝突が起こらないように稽古をします。技をかける「取り」と、技をかけられる「受け」が交代し、鍛錬していくのが特徴です。正面打ち・横面打ち・片手取り・後ろ両手取りなど、取りは向かってくる受けの動きを想定し、その動きに合わせた捌きをします。勝敗や優劣が決まることはありませんが、覚える技の種類や熟練度に天井がないため、一生成長し続けられる奥の深い武道です。

また、精神面において性別・年齢・体格・体力が違う様々な相手と稽古を積み重ねていく中で、バランスのとれた人間性も磨かれていきます。相手の特徴に合わせて自分の動きを変えることもまた合気道に必要な要素です。そうすることで、相手を尊重する気持ちも養われ、利己的な我執や我欲を律する、己に打ち勝つ心の強さも培われます。